日本の保険代理店数は?店舗数の推移と今後の動向を解説

日本の保険代理店数をひとことで言い切ろうとすると、少しややこしさがあります。というのも、公的・業界統計では「損害保険代理店」と「生命保険代理店」で集計の仕方が分かれており、しかも同じ事業者が両方を扱っている場合もあるためです。そこでこの記事では、公開統計に沿って分野別に数を整理し、どのくらいのペースで増減しているのか、そこから何が読み取れるのかを落ち着いて見ていきます。数字だけを並べるのではなく、業界の変化や今後の見通しまでつなげて確認できる内容にしました。 日本損害保険協会「FACT BOOK 2025」 生命保険協会「生命保険の動向 2025年版」

この記事でわかること
  • 日本の保険代理店数をどう見ると整理しやすいか
  • 損害保険代理店数と生命保険代理店数の直近値
  • 店舗数の推移から見える減少傾向の中身
  • 新設数・廃止数から見える足元の動き
  • 今後の業界動向を考えるうえで見ておきたい論点

保険代理店の経営改善ガイドについては『【2026年最新版】保険代理店の経営改善完全ガイド|LTV最大化と利益体質を作る仕組み化戦略』をご覧ください。

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目次

保険代理店数は、損保と生保を分けて見ると整理しやすいです

先に結論を置くと、日本の保険代理店数は公開統計ベースでみると減少傾向です。ただし、「全国で合計何店」と単純にひとつの数字にまとめるより、損害保険と生命保険を分けて確認したほうが実態に近づきます。 日本損害保険協会「FACT BOOK 2025」 生命保険協会「生命保険の動向 2025年版」

その理由は、統計の定義が同じではないためです。e-Statの日本標準産業分類でも、生命保険媒介業は「生命保険業者のために生命保険契約の募集,保険料の集金等を行う事業所」、損害保険代理業は「損害保険業者のために,損害保険契約の締結,保険料の収納等を行う事業所」と整理されています。数字を見るときは、この“分類の違い”を前提にしたほうがぶれにくいです。 e-Stat「6741 生命保険媒介業」 e-Stat「6742 損害保険代理業」

公開統計では、損保は「代理店実在数」、生保は「法人代理店数・個人代理店数」で示されることがあります。したがって、両者をそのまま単純合算した値は参考値として扱うのが自然です。 日本損害保険協会「FACT BOOK 2025」 生命保険協会「生命保険の動向 2025年版」

直近の保険代理店数

2024年度の直近公表値を見ると、損害保険代理店実在数は14万138店です。前年の15万652店から1万514店減り、前年比では7.0%減でした。さらに、2024年度の新設代理店数は4,334店、廃止代理店数は1万4,848店で、廃止が新設を大きく上回っています。ここは数字としてかなりはっきりしています。 日本損害保険協会「2024年度損害保険代理店統計」 日本損害保険協会「FACT BOOK 2025」

一方、生命保険代理店は2024年度で法人代理店が3万1,339店個人代理店が4万3,959店です。合計すると7万5,298店になります。法人代理店は9年連続、個人代理店は10年連続で減少とされており、生保側でも縮小基調が続いています。 生命保険協会「生命保険の動向 2025年版」

分野別の整理表

分野直近の公表値前年値主な見方
損害保険代理店140,138店(2024年度末)150,652店実在数ベースで減少
生命保険代理店(法人)31,339店(2024年度)32,220店9年連続減少
生命保険代理店(個人)43,959店(2024年度)46,173店10年連続減少
生命保険代理店合計75,298店78,393店法人+個人の単純合計

出典: 日本損害保険協会「FACT BOOK 2024」 日本損害保険協会「FACT BOOK 2025」 生命保険協会「生命保険の動向 2024年版」 生命保険協会「生命保険の動向 2025年版」

店舗数の推移を見ると、減少は短期ではなく継続的です

損害保険側では、2019年度末が17万2,191店、2023年度末が15万652店、2024年度末が14万138店です。5年前と比べてもかなり減っており、単年度だけの揺れでは説明しにくい流れが見えます。 日本損害保険協会「FACT BOOK 2020」 日本損害保険協会「FACT BOOK 2024」 日本損害保険協会「FACT BOOK 2025」

生命保険側でも似た傾向が確認できます。2019年度は法人3万3,948店、個人4万9,631店で、合計8万3,579店でした。そこから2023年度は7万8,393店、2024年度は7万5,298店へと下がっています。なだらかに見えて、実際には毎年じわじわ減っている形です。 生命保険協会「生命保険の動向 2020年版」 生命保険協会「生命保険の動向 2024年版」 生命保険協会「生命保険の動向 2025年版」

推移をざっくり比較するとこうなります

年度損害保険代理店生命保険代理店合計
2019年度172,191店83,579店
2023年度150,652店78,393店
2024年度140,138店75,298店

※生命保険代理店合計は、各年度の法人代理店数と個人代理店数を合算した参考値です。 日本損害保険協会「FACT BOOK 2020」 日本損害保険協会「FACT BOOK 2024」 日本損害保険協会「FACT BOOK 2025」 生命保険協会「生命保険の動向 2020年版」 生命保険協会「生命保険の動向 2024年版」 生命保険協会「生命保険の動向 2025年版」

なぜ減っているのか、公開資料から読み取りやすい論点

数字の背景として読み取りやすいのは、単に市場の大小だけではなく、募集管理や業務品質への目線が以前より細かくなっていることです。金融庁は2025年保険モニタリングレポートで、保険代理店自身が募集リスクを特定し、管理・コントロールする態勢づくりを求めています。形式的な確認だけでなく、実効的なモニタリングや指導が期待される方向です。 金融庁「2025年 保険モニタリングレポート」

また、保険監督上の評価項目でも、日常的な教育・管理・指導に加え、代理店監査などを通じた検証や、課題が見つかった場合の改善対応が示されています。つまり、代理店運営は「契約を扱う場」であると同時に、「管理態勢が見られる場」でもあるわけです。こうした流れは、拠点数の増減を見るときにも無関係ではなさそうです。 金融庁「保険監督上の評価項目」

生命保険分野では、生命保険協会が2022年4月から「生命保険乗合代理店業務品質評価運営」を開始しています。これは顧客本位の業務運営を後押しする取り組みとして公表されており、業界全体の見られ方が件数中心から運営品質も含めた見方へ移っていることを示す材料のひとつです。 生命保険協会「認定代理店の概要」

今後の動向は「数」だけでは見えにくくなります

これから先の保険代理店業界を見るうえでは、店舗数そのものだけでなく、どういう体制で運営されているかまで合わせて確認する場面が増えそうです。損害保険協会の2024年度統計では、専業代理店が2万4,554店、副業代理店が11万5,584店で、副業代理店の比率が82.5%でした。数だけで輪郭を見ると見落としやすい部分がある、ということですね。 日本損害保険協会「2024年度損害保険代理店統計」

さらに、都道府県別では2024年度に全都道府県で代理店実在数が減少したと公表されています。地域差はあるとしても、全体の流れとしては減少基調が共有されていると受け止められます。 日本損害保険協会「2024年度損害保険代理店統計」

ここまでをまとめると、日本の保険代理店数は直近統計で減少が続いており、今後の見方は「何店あるか」だけでは足りません。店舗数の変化に加えて、募集管理態勢、教育、監査、業務品質といった公開資料で示される論点を重ねて見ていくと、数字の背景がかなりつかみやすくなります。 金融庁「2025年 保険モニタリングレポート」 金融庁「保険監督上の評価項目」

Q&A

Q1. 日本の保険代理店数は、結局どれくらいありますか?

公開統計ベースでは、2024年度末の損害保険代理店実在数が14万138店、2024年度の生命保険代理店は法人3万1,339店、個人4万3,959店です。ただし、損保と生保は集計の定義が異なり、重複の可能性もあるため、単純合算は参考値として見るのが自然です。 日本損害保険協会「FACT BOOK 2025」 生命保険協会「生命保険の動向 2025年版」

Q2. 保険代理店数が減っているのは、需要がなくなっているからですか?

公開資料からは、需要だけで説明するより、代理店の新設・廃止の差、募集管理態勢の高度化、業務品質への着目といった複数の要因を合わせて見たほうが実態に近いと考えられます。たとえば損保分野では、2024年度に新設4,334店、廃止1万4,848店でした。 日本損害保険協会「2024年度損害保険代理店統計」 金融庁「2025年 保険モニタリングレポート」

Q3. 来店型の保険ショップ店舗数は公的統計で分かりますか?

全国の来店型保険ショップだけをひとつにまとめた公的統計は、今回確認した範囲では見当たりませんでした。公表資料では、損保は代理店実在数、生保は法人代理店数・個人代理店数の形で示されることが多いです。 日本損害保険協会「FACT BOOK 2025」 生命保険協会「生命保険の動向 2025年版」

Q4. 今後は代理店数より何を見ればいいですか?

今後の動向を見る材料としては、店舗数の増減に加えて、募集管理態勢、教育・監査、業務品質評価の枠組みなどが挙げられます。金融庁と業界団体の公開資料でも、こうした視点が繰り返し示されています。 金融庁「保険監督上の評価項目」 生命保険協会「認定代理店の概要」

まとめ

日本の保険代理店数は、直近の公開統計でみると損保・生保の両方で減少傾向です。しかも足元では、新設より廃止が上回る動きや、業務品質・募集管理態勢への目線の変化も確認できます。数字だけを見ると単なる減少にも見えますが、公開資料を重ねると、業界の見られ方そのものが少しずつ変わってきた様子も読み取れます。店舗数の推移を追うときは、件数そのものに加えて、どういう体制の代理店が残っていくのかまで一緒に見ていくと整理しやすいです。 日本損害保険協会「2024年度損害保険代理店統計」 金融庁「2025年 保険モニタリングレポート」 生命保険協会「生命保険の動向 2025年版」

この記事の監修者
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柴田雅之

デジタルマーケティングマネージャー兼ファイナンシャルプランナー

保険代理店専門のWeb集客コンサルタントとして、SEO対策、Google広告・Meta広告などのWeb広告運用、LINE公式アカウントおよびLステップ導入、CRM構築まで、保険代理店の集客から顧客管理・成約率向上までを経験。
紹介依存から脱却し、Web経由で安定的に見込み顧客を獲得できる仕組み構築を得意とし、検索集客・広告・LINE・CRMを統合したデジタルマーケティング戦略の設計・実行を行っている。

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