ロ方式とハ方式の違いを徹底解説|保険代理店が今理解すべき本質とは?

この記事でわかること
  • ロ方式とハ方式の本質的な違い:営業主導型と顧客主導型の思想差
  • 営業主導型と顧客主導型の構造差:面談の流れ・提案のタイミングがどう変わるか
  • なぜ今ロ方式が求められているのか:法改正・社会変化・お客様心理の3つの背景
  • 自社の現状チェック方法:今すぐ確認できるセルフ診断

ロ方式時代に求められる保険代理店の集客については、『【2026年最新版】ロ方式への転換と保険代理店の集客|ハ方式との違いとWeb戦略』で詳しく解説してます。

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目次

ロ方式とハ方式の基本定義

ハ方式とは何か

ハ方式とは、営業担当者が面談をリードしながらお客様のニーズを探り、商品を提案していくスタイルのことです。

具体的な面談の流れはこんなイメージです。

「最近、保険の見直しはされていますか?」
「お子さんはいらっしゃいますか?」
「住宅ローンはありますか?」
「それでしたら、こちらの医療保険がおすすめです」

営業担当者が質問を重ねながら状況を把握し、「この人にはこれが合う」と判断して提案します。長年多くの保険代理店で使われてきた、いわゆる**「ヒアリング型の営業スタイル」**です。

保険の知識が深い担当者ほど上手に機能しますが、裏を返すと「担当者の能力や判断に結果が左右されやすい」という特性もあります。


ロ方式とは何か

ロ方式とは、お客様自身が自分のニーズや優先事項を整理してから、代理店が提案を行うスタイルのことです。

面談の流れはこんなイメージです。

【面談前】お客様が意向確認シートに記入
「今一番備えたいリスクは何ですか?」
「保険料と保障内容、どちらを優先しますか?」

【面談中】確認した意向をもとに提案
「お客様が医療費への備えを最優先とのことでしたので、
 A社とB社の2つを比較してご説明します。
 A社をおすすめする理由は…」

ポイントは、提案の前に「なぜこの商品なのか」の根拠を用意していることです。お客様の意向に基づいて商品を選び、その理由を記録・説明することが求められます。


両者の思想の違い

ハ方式とロ方式は、単なる「面談の進め方の違い」ではありません。根本にある思想が異なります。

ハ方式ロ方式
主役営業担当者お客様
出発点担当者がニーズを探るお客様がニーズを整理する
提案の根拠担当者の判断お客様の意向
記録任意実質義務
目標商品を売ることお客様が納得して選ぶこと

ハ方式は「専門家として最適な商品を提案する」という考え方です。悪意はなくても、「担当者が良いと思ったから勧めた」という構造になりがちです。

ロ方式は「お客様が自分で決められる環境を整える」という考え方です。代理店の役割は「売る人」ではなく、**「お客様の意思決定をサポートする人」**に変わります。


ロ方式とハ方式の違いを5つの視点で比較

① 主導権(営業主導 vs 顧客主導)

ハ方式:営業担当者が主導権を持つ

面談の流れ・質問の内容・提案するタイミング、すべてを担当者がコントロールします。経験豊富な担当者ほど「この流れで話せばうまくいく」というパターンを持っています。

ただし、これはお客様から見ると「相手のペースで話が進んでいる」という感覚になることがあります。「よく分からないまま契約してしまった」というトラブルが起きやすい構造でもあります。

ロ方式:お客様が主導権を持つ

「何のために保険を見直したいか」「何を優先したいか」をお客様が先に決めます。担当者はその意向に沿って提案します。

お客様が「自分で選んだ」という感覚を持てるため、契約後の満足度が高く、解約率も低くなる傾向があります。


② 情報量(非対称 vs 対称)

ハ方式:情報の非対称が前提

ハ方式が長年機能してきたのは、「保険のことはよく分からないからプロに任せる」というお客様が多かったからです。保険の知識は専門家だけが持っており、お客様との間に大きな「情報の差」がありました。

ロ方式:情報格差が縮まった前提

今のお客様はスマホで簡単に調べられます。「○○生命の口コミ」「医療保険 比較」「収入保障保険 必要か」──こうした検索は日常的に行われています。

面談に来る前からある程度調べてきたお客様に、「私が全部説明します」というスタンスで臨むと、「話を聞いてもらえていない」と感じさせてしまうことがあります。

ロ方式は、「お客様もある程度知っている」という前提で設計された方式です。


③ 面談の位置づけ

ハ方式:面談が「はじまり」

ハ方式では、面談の場でお客様のニーズを初めて掘り起こし、その場で提案まで行います。面談が「ゼロからスタートする場」です。

担当者の腕次第で結果が大きく変わるため、経験の浅いスタッフには難しく、代理店全体としての品質にばらつきが出やすいという課題があります。

ロ方式:面談は「確認と合意の場」

ロ方式では、面談前にお客様が意向を整理しています。担当者はその意向をもとに比較・説明・推奨を行います。面談は「ゼロから作る場」ではなく、「確認して合意する場」です。

面談前の準備(意向確認シート・Webコンテンツ)が充実していれば、担当者の経験年数に関わらず一定の品質を保てます。


④ 信頼構築のタイミング

ハ方式:面談中に信頼を作る

「初回面談でいかに信頼してもらうか」がすべてです。担当者の第一印象・話し方・提案内容が、そのまま信頼につながります。

しかし、面談を設定してもらう段階で「この代理店は信頼できそうか」がすでに問われています。面談前の情報がゼロだと、そもそも問い合わせ自体が来にくくなっています。

ロ方式:面談前から信頼を積み上げる

ロ方式では、Webサイト・コンテンツ・SNSなどを通じて、面談前から信頼を構築します。「この人のブログをずっと読んでいて、ぜひ相談したかった」という状態で来てくれるお客様は、面談の成約率も満足度も高くなります。

信頼構築の起点が、面談の場から「Webでの情報発信」に移っているのがロ方式時代の特徴です。


⑤ 集客の起点(紹介中心 vs 検索中心)

ハ方式:紹介・人脈が集客の中心

ハ方式の時代、集客は主に「紹介」「飛び込み」「テレアポ」で行われてきました。担当者の人脈と行動量が集客量を決める、属人的なモデルです。

安定しているように見えますが、紹介元が退職・高齢化すると途絶えるリスクがあります。また、若い世代のお客様はネットで調べてから行動するため、紹介だけでは届かない層が増えています。

ロ方式:検索・Webが集客の中心に

ロ方式時代の集客は、Webからの問い合わせが重要な柱になります。お客様が「○○市 保険相談」「法人保険 見直し 無料」などで検索したとき、あなたの代理店のサイトが表示されること。これが新しい集客の入口です。

Webで情報を発信し、面談前から信頼を作り、問い合わせにつなげる。このサイクルを仕組みとして持っている代理店が、ロ方式時代に安定して集客できます。


なぜハ方式が限界を迎えているのか

情報の民主化

2010年代以降、スマートフォンの普及とGoogleの検索精度の向上により、保険の情報は誰でも簡単に手に入るようになりました。

「担当者だけが知っている」という時代は終わっています。今のお客様は面談前に、保険会社の評判・商品の比較・保険料の目安・他のお客様の体験談などを調べてきます。

「プロだから任せてください」という一言が通じにくくなった今、代理店が提供すべき価値は**「知識を持っていること」から「お客様の意思決定をサポートできること」**に変わっています。これがロ方式の本質と一致しています。


コンプライアンス強化

2023年に発覚したビッグモーターの保険金不正請求事件と、大手損保会社によるカルテル問題は、業界全体に大きな衝撃を与えました。

「保険会社と代理店の間の馴れ合い」「お客様不在の営業」という構造的な問題が白日の下にさらされ、金融庁は規制強化に動きました。その結果が、2026年6月施行の改正保険業法です。

ハ方式の廃止とロ方式への一本化は、こうした不祥事の再発を防ぐための措置の一つです。「なぜその商品を勧めたのか」を記録・説明できる代理店だけが、これからも安心して営業を続けられます。


顧客心理の変化

「押し付けられた」「よく分からないまま契約した」という体験をしたお客様は、次の更新のタイミングで他の代理店に乗り換えを検討します。SNSや口コミサイトで不満を投稿することもあります。

逆に、「自分のペースで考えさせてもらえた」「なぜこの商品なのか丁寧に説明してもらえた」という体験をしたお客様は、長く付き合ってくれます。家族や知人への紹介も自然に生まれます。

お客様の心理は明確です。売られたくない、でも相談はしたい。この気持ちに応えられるのが、ロ方式の代理店です。


あなたの代理店はどちらか?セルフチェック

以下の質問に「はい」か「いいえ」で答えてみてください。

【チェックリスト】

#質問はいいいえ
1面談の冒頭で、お客様の意向を確認するシートや質問票を使っていますか?
2「なぜこの商品を勧めるのか」という理由を書面で記録していますか?
3複数の商品を比較して、選んだ根拠をお客様に説明していますか?
4Webサイトに、お客様が自分でニーズを整理できるコンテンツがありますか?
5問い合わせの半数以上が「紹介以外(検索・SNS等)」から来ていますか?
6面談前にお客様へ事前アンケートや資料を送っていますか?
7担当者が変わっても同じ品質で面談できる仕組みがありますか?

【結果の目安】

  • ✅が 5〜7個:ロ方式への対応がかなり進んでいます。仕組みの記録化・Webとの連動をさらに強化しましょう。
  • ✅が 3〜4個:部分的に対応できています。特に「書面での記録」と「Webコンテンツ」の整備を優先しましょう。
  • ✅が 0〜2個:ハ方式が中心の状態です。2026年6月の施行に向けて、面談プロセスの見直しを今すぐ始めることをおすすめします。

ロ方式への転換が必要な理由

ここまで読んでいただいて、「ロ方式とハ方式の違い」はご理解いただけたと思います。

では、なぜ今すぐ転換が必要なのでしょうか?

理由は大きく3つあります。

①法的な要件として求められている 2026年6月の改正保険業法の施行により、乗合代理店における比較推奨販売はロ方式に一本化されます。対応が遅れると、保険会社からの指導・委託契約の見直しにつながる可能性があります。

②お客様の行動がすでに変わっている お客様はすでに「検索して・調べて・比べてから」問い合わせをしています。ハ方式のまま待っているだけでは、そのお客様は情報提供ができている競合代理店に流れてしまいます。

③紹介依存モデルには限界がある 紹介でうまくいっている代理店ほど、紹介元が高齢化・引退した際のリスクを見落としがちです。Webを活用した仕組みづくりは、1日でも早く始めた方が後の資産になります。

ロ方式への転換は、「面談のやり方を変える」だけでは完結しません。Webサイトの設計・コンテンツの整備・集客の仕組みづくりまで含めてセットで考えることが重要です。

ロ方式に対応した具体的なWeb集客戦略については、こちらの記事で詳しく解説しています。

👉 【2026年最新版】ロ方式への転換と保険代理店の集客|ハ方式との違いとWeb戦略

面談プロセスの見直しとWebの整備を同時に進めることで、ロ方式時代に「選ばれる代理店」への転換が実現できます。

よくある質問(Q&A)

ロ方式とハ方式の一番の違いは何ですか?

一番の違いは、**「誰が主役か」**です。

ハ方式は、営業担当者がお客様の話を聞きながらニーズを探り、「それならこの商品がおすすめです」と提案していく営業主導型のスタイルです。

一方ロ方式は、まずお客様自身に「どんなリスクに備えたいか」「何を優先したいか」を整理していただいてから提案する顧客主導型のスタイルです。

つまり、ハ方式は「営業担当者が引っ張る」、ロ方式は「お客様が決めるのをサポートする」という根本的な思想の違いがあります。2026年6月の保険業法改正により、ハ方式は原則廃止となり、ロ方式への移行が求められています。

ハ方式のままだと問題がありますか?

はい、2026年6月以降は法律上の問題になり得ます。

2026年6月1日施行の改正保険業法により、乗合代理店(複数の保険会社の商品を扱う代理店)における比較推奨販売はロ方式に一本化されます。ハ方式のように「お客様の意向を十分に確認せず、営業担当者の判断で商品を推奨する」やり方は、認められなくなります。

また法律の問題だけでなく、「なぜこの商品を勧めたのか」という推奨理由の記録・説明が求められるため、今のうちに面談プロセスを見直しておかないと、保険会社からの品質審査で指摘を受けるリスクもあります。

早めの対応が、代理店経営を守ることにつながります。

ロ方式にすぐ切り替えないといけませんか?

2026年6月の施行までに対応を完了させる必要があります。

ただし、「明日からすべて変える」という急激な切り替えは現実的ではありません。まずは「お客様の意向を先に確認する」という面談の流れと、「推奨理由を記録する」という書面管理の2点から始めることをおすすめします。

また、ロ方式への対応はWebサイトの整備とセットで進めると効果的です。面談前にお客様が自分のニーズを整理できるような比較記事・FAQ・相談事例をWebに載せておくことで、面談の質が上がり、ロ方式の流れが自然に生まれます。

「すぐに全部変えなければ」と焦るのではなく、今日から少しずつ着手することが大切です。

ロ方式対応は大規模な代理店だけの話ではないですか?

「特定大規模乗合損害保険代理店」への上乗せ規制は大規模代理店が対象ですが、ハ方式の廃止とロ方式への一本化は、複数の保険会社の商品を扱うすべての乗合代理店に適用されます。

「うちは小さな代理店だから関係ない」という認識は危険です。保険会社から委託を受けている以上、コンプライアンス上の要件を満たすことは規模に関わらず求められます。むしろ小規模な代理店ほど、一人の担当者に対応が集中しやすいため、早めの準備が重要です。


まとめ

この記事では、ロ方式とハ方式の違いについて、定義・比較・背景・セルフチェックという流れで解説しました。

最後に、最も大切なことを3つにまとめます。

ロ方式とハ方式は、営業手法の違いではなく「思想の違い」です。 「売る人が主役か、お客様が主役か」という根本的な考え方の違いです。面談の流れを少し変えるだけでは対応できません。代理店としての姿勢そのものを見直すことが求められています。

今後は、顧客主導型が「当たり前」の前提になります。 2026年の法改正により、ロ方式はすべての乗合代理店に求められる標準になります。「ハ方式で十分」という選択肢は、法律上なくなっていきます。今はまだ準備期間ですが、この猶予を活かすかどうかで、2026年以降の経営に大きな差が出ます。

まずは「理解すること」が第一歩です ロ方式への転換を難しく考えすぎる必要はありません。「お客様が自分で考えて選べる環境を整える」というシンプルな目標に向かって、面談の流れ・書面の整備・Webの活用を少しずつ改善していくことが大切です。

「ロ方式とハ方式の違い」を理解した今が、変化のスタートラインです。ぜひ今日から、自社の現状を見直してみてください。

この記事の監修者
柴田雅之のプロフィール写真

柴田雅之

デジタルマーケティングマネージャー兼ファイナンシャルプランナー

保険代理店専門のWeb集客コンサルタントとして、SEO対策、Google広告・Meta広告などのWeb広告運用、LINE公式アカウントおよびLステップ導入、CRM構築まで、保険代理店の集客から顧客管理・成約率向上までを経験。
紹介依存から脱却し、Web経由で安定的に見込み顧客を獲得できる仕組み構築を得意とし、検索集客・広告・LINE・CRMを統合したデジタルマーケティング戦略の設計・実行を行っている。

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